俺の出会った犬たち③
これも俺の小学校低学年の時の話。
住んでいる団地から徒歩10分のところに
野良犬の住処があった。
学校の帰りに住処を覗くのが日課であった。
ある時、いつものように覗いてみると、
何と野良犬が赤ちゃんを産んでいた。
その時、初めて野良犬が雌だということも
わかった。
それを見て、またまた俺の悪い癖が…。
友達と相談し、お母さん犬がいない間に
持ち去ることになった。
っていうか、俺が決めたんだが…。
とにかく、お母さん犬が住処を離れるまで
見張り続けた。
夕方、とうとうそのタイミングが来た。
お母さん犬が住処から、離れたのだ。
その瞬間、俺たちは急いで子犬を持ち去った。子犬を散々可愛がった挙げ句、俺たちは団地の例の基地ではなく、同じ団地に住む友達の3階の倉庫に隠すことにした。
牛乳をあげて、それぞれ家に帰った。
するとしばらく経った夜21時ごろ、事件が起きた。
どこからともなく、犬の遠吠えが聞こえてくる…。その時、子供なりに冷や汗が出て来た感覚は今でも忘れられない。
当然、おとう、おかんに事情を話し、3階の倉庫に向かった。
俺の家は4階なのですぐ下の階のところだ。
到着すると、すでに団地中の大人が集まっていた。もちろんその中には一緒に3階の倉庫に隠した友達の親、友達もいる。
なぜなら、その友達の倉庫だからだ。
結局、倉庫を開けて、お母さん犬が子犬をくわえて住処に持って帰って解決した。
その後、叱られたかどうかは記憶にない。
続いて、嘘のような本当の話。
学校の帰り、俺は冒険心が強かったのか、よく家の近くの県立の公園に立ち寄って帰っていた。その公園には夕方結構、野良犬が出没するのは有名だった。
そのような中、友達3人と野良犬が出始めた頃、色々と威嚇してはアスレチックの遊具の高い所に逃れ、また威嚇しては高い所に逃れるの繰り返しを行ないスリル感を楽しんでいた。
すると、とうとう奴らを本気にさせてしまった。
アスレチックの遊具から下を覗いてみると
逆に威嚇している野良犬が10匹以上になっていた。だけど、馬鹿な俺はそれまたスリル感を楽しんでいた。
そこからは、俺たちと野良犬の根比べ。
俺たちが降りて噛まれるか野良犬の解散を待つか…
当たり前ではあるが、噛まれるのはゴメンなので、解散を遊具の上で待つことにした。
どれぐらい時間が経っただろうか…。
辺りはすっかり日が暮れて真っ暗である。
もちろん、学校から息子が帰って来ないのだから親も心配しているのに間違いない。
そのような状況において、俺はなおスリル感を楽しんでいた。とんでもない不謹慎野郎だ。
とうとう決着がつく時が来た。
遠くから、灯りが現れて野良犬たちを必死で退散させている様子が…。
警察官、学校の先生、友達と俺のおかんであった。
その後、学校で大問題、ご迷惑をお掛けした大人の方々にしぼられたのは言うまでもない…。
次回は、友達が噛まれた犬の話をしたいと思う。